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猫が嘔吐した時に使われる胃酸を抑える薬は注意が必要【プロトンポンプ阻害薬の危険性】

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胃酸を抑える薬は要注意

この記事では、猫が嘔吐したときや胃炎などで使われる胃酸を抑える薬について書いています。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)である「オメプラゾール」の作用や副作用、心配されることなどを調べました。

結論として、猫にプロトンポンプ阻害薬(PPI)は使わないほうがいい。

ほかの選択肢を選ぶほうがいいでしょう。

後半でほかの選択肢についても書いています。

かなえ

飼い主が賢くならないと猫を守れません

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猫の嘔吐などで使われる胃酸を抑える薬

吐く猫

猫に胃酸を抑える薬が処方されるのはこんな場合。

  • 胃酸過多で嘔吐
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 胃炎
  • 上部消化管出血

胃酸を抑える薬には2種類あります。

  • H2ブロッカー
  • プロトンポンプ阻害薬(PPI)

作用する場所がちがいますが、胃酸を抑える作用は今回紹介するプロトンポンプ阻害薬のほうが強い。

猫で使われるプロトンポンプ阻害薬は「オメプラゾール」というもの。

このオメプラゾール、調べたところあまり安易に使うべき薬ではないことがわかりました。

プロトンポンプ阻害薬で胃酸を抑えることによるデメリット

動物病院

薬によって胃酸を抑えることで「胃壁を守る」というメリットはあります。

ただ、わたしが調べたなかではプロトンポンプ阻害薬(PPI)はデメリットの方が大きいように感じます。

胃壁を守りたいなら、ほかにも方法がある。

プロトンポンプ阻害薬によって心配される副作用はこちら。

  • 腎障害
  • 骨粗鬆症
  • 感染症
  • コバラミン(ビタミンB12)欠乏症
  • 低マグネシウム欠乏症
  • 貧血
  • 下痢
  • 血小板減少症

これらの副作用は、人間において長期で使用された場合に心配されるものです。

猫での副作用は、ほぼ不明と言ってもいい。

なぜかって

  • 猫で使われるオメプラゾールは、人用の薬で副作用報告義務がないから!

オメプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)は猫では適応外処方

獣医療で使われる薬のおよそ6割は、人間用の薬だそうです。

獣医師が人間用の薬を使ってはいけない、という法律はないため、獣医師は自分の裁量により人間用の薬を使っています。

  • 本来、動物用医薬品を使って副作用が疑われる症状が出たら、報告する義務がある

それが副作用データベースにのり、飼い主も見ることができるので薬をつかう時の指針にもなるのです。

しかし!

獣医師が人間用の薬を使ったばあい、報告義務はないので猫における副作用の実態がわかりません。

かなえ

副作用の実態がわからないのって、すごく怖いことです・・・

獣医師が人間用の薬を使うことを「適応外処方」もしくは「適用外使用」などどいいます。

こちらの記事で大きなトラブルになるのでは、と心配されていますがわたしもそう思います。

そして、プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、アメリカでも動物用医薬品として認められていません。

上の説明文は、以下の論文を機械翻訳したものです。

アメリカでも承認されてないんだから、全世界的に不明といってもいいよね!

副作用不明と、副作用ないは雲泥の差ですよ!

そもそも、みなさん猫に人間用の薬を処方されたことがあるはずです。

そのとき、説明ってされました?

かなえ

わたしは一度も人間用の薬だから、と説明をうけたことはありません

そもそも人間用の薬なのだから、猫への安全性は調べられてないわけでしょ?

犬ならともかく、猫は肝臓の解毒機能など人とは大きく異なるのです。

獣医師はそこらへん、本当にわかっているのでしょうか。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用は腎障害の恐れあり

人間のほうでは、PPIは「間質性腎炎」を引き起こすとかなり言われています。

かなえ

この3つは猫でもかなり使用頻度高いよ。猫でもあるんじゃない?

人間ですが、PPI使用により腎臓病を患ったと製薬会社が訴えられています。

うえで紹介した論文でも

CKD(慢性腎臓病)の犬や猫への酸抑制剤の慢性投与は無害ではない可能性があります。

と書かれています。

また、ちがう論文でも

PPIの長期使用に関連する最も広く報告されている副作用の1つは、慢性腎臓病の発症または進行の加速です。
犬と猫における酸抑制剤のpH非依存性効果

猫はそもそも薬を使わなくても、腎臓病になりやすいですよね。

PPIの副作用で腎臓にダメージが与えられてもおそらくわからない。

長期使用、と言葉で簡単にいうけど、いつまで短期でいつから長期なのよ?とも思う。

現代は猫の腎臓に負担をかけるものばかりなので、より副作用は判明しにくい。

健康な猫が使わないことも大切ですが、すでに慢性腎臓病になっている猫にPPI(プロトンポンプ阻害薬)を与えることはぜったいダメですよね。

プロトンポンプ阻害薬以外の選択肢

では、PPI(プロトンポンプ阻害薬)を使いたいような症状になった時にほかにある選択肢とは。

  • スクラルファート(製品名:アルサルミン)
  • アルジオキサ

PPIよりはいいかなと思いますが、また何かわかれば追記します。

スクラルファート(アルサルミン)

スクラルファートは、胃粘膜保護作用があります。

胃粘膜で炎症がおきている部位や潰瘍に対して、膜をはるようなイメージ。

ただ、この薬はこの薬で扱いづらい部分もあります。

  • ほかの薬の吸収を妨げる
  • ほかの薬と時間をあける必要がある
  • 液体だとまあまあ量がある
  • 副作用に便秘がある
  • 長期服用はアルミニウムの影響が心配

スクラルファートは胃粘膜に膜をはるような感じなので、ほかの薬の吸収に影響を与えます。

ほかにも薬を服用してる場合には、1〜2時間はあけた方がいいのです。

ほかに何も薬を飲んでいないならいいですが、タイミングが少し難しい。

また、わたしが使ったことのあるのは液体なのですが、その液体の量もけっこうあります。

あんずの場合は、2,5キロくらいで2,5ミリでした。

ちょうどいつも使うシリンジと同じ。

うちの子は大丈夫でしたが、すごく嫌がる猫さんもいるよう。

また、1日2回はあげた方がいいので、大変な人もいるよね。

スクラルファートは、人間の市販薬でもあります。

アルジオキサ

アルジオキサも胃粘膜を保護してくれます。

胃の傷ついた組織の修復をサポートする、とも書いてある。

スクラルファート同様、アルジオキサにもアルミニウムが含まれるので長期使用には向きません。

また、アルジオキサも動物用医薬品としての承認はないよう。

副作用も調べてみましたが、これといって見つかりませんでした。

まとめ

かなえ的まとめ

プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、調べれば調べるほど怖い薬だとわかります。

獣医は薬剤師ではないし、薬剤の知識は製薬会社のMRに聞くくらいかもしれません。

製薬会社の人間がわざわざ副作用を言わないよね。

言葉を話さない猫において、薬の副作用はわかりづらい。

飼い主が正しい知識をもち、適切に使わなければ命を縮める可能性も。

かなえ

薬は知識を持って使いましょう!

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