猫の手作りご飯歴15年のかなえです!
猫の手作りご飯は誰でもできます。わかりやすいように解説しています。
キャットフードは猫の腎臓に負担になる【ドライなら生食の3倍】

この記事では、キャットフードを作るときにできる成分と、それが猫の腎臓に負担をかけるしくみを解説しています。
腎臓のためにと、腎臓ケアのフードを選んでいる飼い主さんも多いですよね。
でも、そのフードも加熱して作られています。
家庭の猫を調べた研究では、ドライフードを食べている猫の腎臓は、生食の猫の約3倍、この成分を外に出す仕事をしていました。
毎日のご飯が、毎日の腎臓の仕事をふやしています。
猫はただでさえ腎臓病になりやすいのに、フードがそれに拍車をかけます


- 猫の多頭飼い歴25年
- 手作りご飯歴15年
- ホリスティックケアカウンセラー
- 元ホメオパス
キャットフードは、どれも加熱して作られる


ドライフードも、缶詰も、ふつうに売られているキャットフードは、どれも加熱して作られています。
加熱して菌をへらし、日持ちするようにしているわけです。
ちがうのは、熱のかけ方。
- ドライフード:いちばん高い温度になるのは、数秒〜数分
- 缶詰:缶に詰めてから、20分〜2時間
ドライは保存がきいて、安くて、置きっぱなしにもできる。人にとっては、便利な食べ物です。
では、加熱すると、フードの中で何が起きるのでしょうか。
加熱でできるAGEs(糖とタンパク質がくっついた成分)
肉を焼くと、表面がこんがり茶色くなりますよね。
あの色と香りは、肉の中の糖とタンパク質が、熱でくっついてできるもの。
この反応でできる成分のひとつが、AGEsです。
AGEsは、温度が高いほど、加熱が長いほどふえます。
体の中でも少しずつ作られますが、食べ物からも入ってきます。
加熱したものを食べれば、そのぶん体に入るAGEsもふえる。
腎臓は、AGEsの通り道
AGEsは、体の中でこんなことをします。
- 細胞にくっついて、炎症と酸化ストレスを起こす
- コラーゲン同士をつないで、組織をかたくする
そして、体に入ったAGEsを外に出すのは、腎臓。
腎臓は、AGEsが毎日通っていく場所です。
通り道だから、AGEsの影響を受けやすい。出しきれなかったAGEsは、腎臓そのものにたまっていきます。
猫の慢性腎臓病で、腎臓の中で起きていること。
それは、炎症と、腎臓がかたくなっていくこと。
AGEsが起こすことと、そのまま重なります。
さらに、腎臓が弱ると、AGEsを出しきれなくなります。
出せなかったAGEsは体にたまり、たまったAGEsがまた腎臓をいためる。
弱るほど、さらにいたむ。この悪い流れが、腎臓の中で回りはじめます。
腎臓がもう弱りはじめている子ほど、この流れに入りやすい。
腎臓のためにと選んだ腎臓ケアのフードも、加熱して作られています。
腎臓は、一度こわれると元にはもどりません。
だからこそ、この流れが回りはじめる前に、入ってくるAGEsをへらしておきたいんです。
毎日食べるものだから、小さな差が積み重なります。
ドライの猫は、AGEsが生食の3倍
猫での研究もあります。
家庭で暮らす猫54頭の尿を調べたもの。
ふだん食べているご飯で、猫を3つに分けたそうです。
- 生食の猫(15頭)
- ドライフードの猫(14頭)
- ドライとウェットを両方食べている猫(25頭)
AGEsは、腎臓を素通りするわけではありません。腎臓がこしとって、尿にして外に出します。
だから尿を調べれば、腎臓がどれだけAGEsを出しているかがわかるんです。
結果は、はっきりしていた。
ドライの猫の腎臓は、生食の猫の約3倍~4倍以上のAGEsを出していました。
生食の猫もゼロではありません。AGEsは体の中でもつくられるからです。
それでも、これだけの差が出た。ちがうのは、毎日食べているご飯。
出す量が3倍なら、腎臓の仕事もそれだけふえる。
缶詰はAGEsが多い。それでもドライより缶詰


フードそのものを測った研究もありました。
AGEsがいちばん多かったのは、缶詰。
ドライや低温調理のフードの約3倍でした。
缶詰は、缶に詰めてから長い時間加熱します。最初に書いた、熱をかける時間の差が、そのまま出ています。
さっきの猫の研究でも、ドライとウェットを両方食べている猫は、ドライだけの猫よりAGEsが多い項目がありました。
ただ、フードを測った研究には、弱いところもあります。
- 研究のお金を出したのは、低温調理のキャットフードを作っている会社
- 種類ごとに調べたフードの数が少ない
どちらにしても、缶詰をやめろ、という話ではありません。
ドライには、AGEsよりも大きな問題があるからです。水分です。
猫はもともと、水をあまり飲みません。水分は、食べてとる動物。
水分の少ないドライを毎日食べていると、軽い脱水がずっと続きます。これが腎臓に負担をかける。
ドライだけの食事と缶詰なら、缶詰を選んでください。
猫の側に、ドライフードのメリットはひとつもありません。
今日からできること
AGEsをへらすために、今日からできることは3つです。
ドライフードだけの食事をやめる
まずは、ドライだけの食事をやめる。ウェットを足して、ご飯から水分がとれるようにします。
いきなり全部を変えなくていい。一つからで十分です。
今までドライをあげてきた人も、自分を責めなくていいんです。
そのときは、それがいちばんだと思って選んだのだから。
生の肉を足す


研究で、AGEsがいちばん少なかったのは生食の猫でした。
猫は完全肉食動物。獲物を、生のまま丸ごと食べてきた生き物です。
だから、わたしは基本、生食をすすめています。
ウェットに、生の肉を少し足すだけでもかまいません。
猫は、多少の過不足を自分で調整できます。続けられる形でいい。
家で火を通すのは別もの
生の肉に抵抗がある人、生を食べない子もいますよね。
そんなときは、家で火を通した肉でかまいません。
キャットフードを作るときの加熱とは、温度がちがうし、回数もちがう。別ものです。
まとめ


キャットフードは、どれも加熱して作られています。
加熱でできるAGEsを体の外に出すのは、腎臓。
ドライの猫の腎臓は、生食の猫の約3倍のAGEsを出していました。
- ドライだけの食事をやめて、水分のとれるご飯にする
- 生の肉を足す
- 生がむずかしければ、家で火を通した肉でいい
猫は、口に入れるものに慎重な動物。
腎臓が弱ってから新しいものに慣らすのは、ひと苦労です。
元気なうちに、生の肉も食べられる子にしておいてあげてくださいね。
出典
- Little Big Cat(ジーン・ホフ)https://littlebigcat.com/ages-in-cat-food-should-we-be-worried/
- Palaseweenun P, et al. Urinary excretion of advanced glycation end products in dogs and cats. J Anim Physiol Anim Nutr. https://doi.org/10.1111/jpn.13347


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